認知症と向き合い、もがく日々の記録。

認知症になった母と向き合う日々を綴ります。

忘れられない言葉。

ふと、昔の事を思い出した。

母と他愛のない話をしていた時、

『本当は産むつもりがなかった』と

言われた事があった。

 

と言っても、喧嘩したとかではなく

女同士色んな話が出来るし

一緒に出掛けられるから

『産むつもりなかったけど

今は、私を産んで良かった』という事を

言いたかったらしい。

 

その話を聞いた時は私ももう大人だったし

母に悪気がないことも理解も出来た。

 

でも正直、

『一瞬でもいらないと思ったんだ...』と

ショックだった事も確かだ。

 

常に考えてる訳ではないが

五十前になった今も時々思い出す。

 

『産むつもりなかった』

 

この言葉のせいで

今、色んな事を忘れて

昔の愚痴をエンドレスで話す母が

『私の人生はついてない事ばかりだった』と

言うと、

心の中で《私を産んじゃったしね...》という

気持ちがグルグル渦を巻いて

全てを投げ出したくなる時がある。

 

そのたびに、

多分一生忘れられないんだな...

自分で思ってる以上に傷付いてるんだなと

再認識させられて、とてもしんどい。

 

両親共に私達兄妹を大切に育ててくれたし

感謝もしている。

 

でも、どんなに悪気がなくても

胸にしまっておいて欲しい言葉だったなぁと

今こうして綴りながら、ちょっと泣けてくる。

 

多分、色々疲れてるな私。